「 大黒天像 」
クスノキ材
高さ 20cm
横 14cm
奥行き 14cm
大黒天は元々はインドの神様で、サンスクリット語でマハーカーラと呼ばれます。
日本へは天台宗の開祖、最澄による密教伝来とともに伝わったとされています。天竺の諸大寺では厨房に守護神として祀れば何人もの僧が訪れて来ても出す食事に困らないとされており、福の神というよりは荒々しい神で台所に入ってくる邪悪を追い払うという性格を持っていたようです。
そのためか天台宗の多くの寺の厨房に大黒天が置かれるようになり、この信仰が一般にも広がりました。
また農業から商業へと庶民の生業が変化するにつれ大黒天は商業神としての信仰対象にもなりました。小槌に深い意味があるようで槌は「土」に通じ、土というのは作物を生み出すもの、その土はすなわち「田」、宝は「田」から出てくるという意味で豊作の神ともなったようです。
大黒天が大きな袋を持っているのは中国の大黒天が小さな床几に腰を掛け、手に金の袋を持っていたことに由来すると考えられると同時に大きな袋を背負って全国をまわったという大国主命と混合されたからとも言われます。