社寺彫刻|手挟みの制作

手挟とは、向拝(本堂や拝殿から前に出た部分)の屋根を支える向拝柱と垂木の間に取り付けられる部材です。

 

 写真の楕円の部分です。

 普段意識せずに参拝していると、なかなか気付ない部分ではありますが、「鶴に松」「鷹に松」「牡丹」「菊」「水波に亀」など、手の込んだ様々なものが彫刻されているところもあります。

そして今回彫刻したのはこのケヤキ、二丁あって運び入れるのも大変でした。見るからに硬そうですが重さからしてもそれがわかります。

実際に彫り出してみると厭になるくらいのもので、ノミを入れると玄能ともに弾むようです。

 

図はあっさりとした唐草なのでまだ良かったのですが鎬を取るのが大変です。

 

機械で大まかには落とせますが、やはり最後は手仕事です。

途中、研いでいてどうも中央部分が仕上げ砥石に当たらないので、中砥で裏を押してみると、なんと四隅しか当たっていない。

 

無理な使い方はしていないつもりですが渦の曲線に持っていかれたのか熱を持った為なのか歪んでいる。

以前に堅い硬い木を彫った時もこんなことはなかったのに何故でしょうか。