もう完成していますが、猿像の制作過程を載せます。
材はヒノキの代用品として社寺建築で多用されているベイヒバを使います。社寺建築には膨大な量の、しかも大きな材が必要で国の事業でもなければ資源と金銭的な問題でそれだけのヒノキを集めることは困難です。そこで代わりに使われるようになったのが台湾ヒノキ、その次にベイヒバです。試験でも強度が確認されているそうで水に強い性質を持っています。
今回ベイヒバを選んだ理由も、完成した像が半屋外というか、雨がかかる可能性のある場所に置かれるため水に強い方が良いということ、そして色味がありました。
ベイヒバと言っても日本のヒバに似ていることから日本でそう呼ばれているだけで、実はヒノキの兄弟らしいのですが、匂いは日本のヒノキとは全然違います。
産地はアメリカ、カナダ。寒いところにあるため樹齢千年以上という途方もないものです。年輪が0.5㎜のしかないところもあり、均一で若干脂気のある感じがします。
まずは二材を合わせて必要な寸法にします。
木取り→荒取り
こまめに写真を撮っていなかったので所々飛びますが、、、
ある程度カタチが出たところで剣烏帽子の部分を寄せます。
鉋で平面を作り、別材と合わせ接着。
十分乾燥させてから余分なところを落として仕上げに入ります。
幣串に紙垂を挟んだ御幣を持たせ、完成です。
「神猿」と書いて「まさる」と読みます。「魔が去る、勝る」に通じる縁起とされ、御所の猿ヶ辻の猿、赤山禅院の屋根上の猿と同じ意で、鬼門を守護する使いとして彫ったものです。
全国には日吉大社の分霊社として日吉神社、日枝神社、山王神社があり、日吉の使いとして猿が祀られています。